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軽井沢駅前店

(写真:佐々木理恵さん宅)

「新しいことが始まる『ワクワク』があふれるまち、軽井沢」

週末になると、軽井沢にはたくさんの観光客や別荘所有者が訪れ、豊かな自然を楽しんでいます。

リゾート地あるいはリタイア後の移住先として人気を集める軽井沢。

しかし、新型コロナウイルスの影響で加速度的にテレワークが推進されるなか、リゾートワーク拠点として、ビジネスパーソンからも注目され始めました。

また、幼稚園から中学校までが一体となった学校が軽井沢町にできたことで、子育て中の若い世代からも、移住先として注目されています。

2拠点生活を経て軽井沢へ移住された東京外資系企業にお勤めの佐々木理恵さんに、軽井沢の魅力と移住して見えた課題について聞きました。

──佐々木さんは2年半前から2拠点生活をされていますよね。2拠点生活を始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

佐々木理恵さん(以下、佐々木) 軽井沢の物件を探し始めたのは、1人目の子供を産んだ7年半前です。2拠点生活というよりは遊び基地を探すという感じで、当時はそこまで本格的に探してはいませんでした。ところが、2年半前に2人目の子供を出産したとき、産休・育休で仕事が数ヶ月休みになったんですね。これは今まで忙しくてできなかったことを考えるチャンスなのかもと思い、本腰を入れて軽井沢の物件を探すことにしたんです。何件も内覧をして、その度に家族で話し合いました。家族全員に響く物件に出会うまでには時間がかかりましたが、縁あって今の物件に出会い、全員一致で「ここにしよう」となりました。

──いろいろな物件をご覧になったとのことですが、物件に求める条件はどのようなものがありましたか。

佐々木 夫はDIYが好きなので、DIYスペースがあるログハウスのような物件をイメージしており、落ち着いた雰囲気のなかで美味しいお酒が飲みたいという希望もありました。あとは車が好きなので、できればガレージが付いているところ。実際には、今は平地に駐車しています。 一方、私の希望は緑がモリモリしたところ。自然豊かな場所が良いと思っていました。このように、2人の希望は完全に一致していたわけではなかったので、互いにどこかで妥協点を探っていくものだと思っていたのですが、2人の望みを満たす物件に出会えたことは幸運だったと思っています。内装も遊び心があり、ハンモックが上からかかっていて、当時5歳だった息子もすぐに気に入りました。

──ちなみに、2拠点生活の物件は軽井沢以外でも探されたんですか。

佐々木 具体的に物件を探すまでには至りませんでしたが、当初、那須高原も候補の1つでした。私が東北出身なので、家族や親戚がいる東北と仕事場がある東京の間にあるという点で良いなと思ったんです。また、新幹線に乗って東京から那須塩原駅まで約1時間10分ですし、坪単価も軽井沢よりお手頃。条件は全く悪くなかったのですが、軽井沢の魅力がそれを上回っていたので、軽井沢を選びました。

──具体的には、軽井沢のどこに魅力を感じましたか。

佐々木 新しいことが始まりそうという、ワクワク感が大きいですね。例えば、2020年4月に幼稚園から中学校までが一体となった軽井沢風越学園が軽井沢町に開校しました。この学校は、私たちが親しみを込めて「慎さん」と呼んでいる本城慎之介が、森の中に2万坪超の土地を購入して建てた学校です。「自分の自由を実現し、相手の自由を認めよう」というコンセプトのもと、遊びを通して学んでいきます。この学校ができたことにより、実際に多くの子育て世代の家庭がこぞって軽井沢に集まりました。移住者のなかには様々な専門性やスキルを持つ多様な保護者が多く、そういう方たちが単なる保護者という役割を超えて軽井沢コミュニティに入り込み、町でおもしろいことを始めているのも魅力の1つです。また、同じく2020年4月に「ほっちのロッヂ」という診療所もでき、教育現場にとどまらず、医療や福祉においても新しい取り組みが始まっています。医療、福祉、学校が備わることで、地方から元気になれるんだという実証実験を行っているような感覚があり、魅力度はますます高まっていると感じています。

──佐々木さんは2拠点生活の2年間を経て、軽井沢へ移住されていますよね。前々から移住は検討されていたんですか。

佐々木 夫と長男は移住に対して積極的でしたが、私には正直迷いがありました。理由は主に仕事のことで、都内の自宅から会社までは車で15分でしたから、通勤時間が片道1時間半以上になるのは大変だなと。ただ、競技スキーが好きな長男が「学校に通い始めたら、放課後毎日スキーに行きたいな」と言っていて、素敵な夢だから叶えてあげたいと思ったんです。子供の夢を叶えることと、仕事を諦めないこと。この両方を満たせる軽井沢だからこそ、移住に踏み切ることができました。

──ちなみに、新しい方がたくさん軽井沢へ来ることに対してはウェルカムな雰囲気なんでしょうか。

佐々木 ウェルカムな雰囲気だと思います。私自身も嫌な思いをしたことはありません。最初は「疎外感を感じるのかな」と思っていましたが、蓋を開けてみると全くそのようなことはなく、むしろ「子供がいると、新しい風が入ってくるから嬉しいわ」と言ってくださる方ばかりでした。

──移住されて2ヶ月が経ちましたね。最初は不安だったという仕事はいかがですか。

佐々木 私たちが移住したのは、東京都が非常事態宣言を発令した数日前です。当初は週に2〜3回の頻度で都内に通勤する予定でしたが、コロナの影響により、100%在宅勤務になりました。今はこの生活にも慣れ、実感としては、お客様に直接お会いする必要があれば都内へ行き、他は必要に応じてオンラインで繋がれば、それでほとんど事足りるなと感じています。

──新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、多くの方がリゾートワークに興味をもち始めている気がします。軽井沢には、リゾートワーク拠点としてどのような魅力があるとお考えですか。

佐々木 軽井沢には、徒歩圏内に仕事ができるカフェやワークスペースがたくさんあります。家から歩いて1分のところにあるカフェの店員さんは「いつでも仕事しに来てね」と言ってくださっているので、コロナが落ち着いたら早速行こうと思っています。風越公園の敷地内にある施設にも、机と椅子が並んでいるスペースがあり、そこでも仕事ができそうです。Wi-Fi環境も整っているので、PC片手に場所を変えながら働くのもいいですよね。また、自然に囲まれているというのも魅力の1つで、仕事に疲れたなと思ったら、別荘地の中を散歩するようにしています。

──自然に溢れているというのは、軽井沢をはじめとしたリゾート地の魅力ですよね。その自然によってもたらされる効用や効果について教えてください。

佐々木 仕事で感じるプレッシャーや疲労感自体は東京で働いていたときと変わらないのですが、自然の中にいると、その疲れがスーッと和らぐのを感じます。今は新緑が綺麗な季節なので、その緑を見ながら歩けば、たった5分の散歩でも十分にリフレッシュすることができますよ。リモートワークは自由度が高いというイメージがありますが、ともすると、メリハリなくだらだらと仕事をしてしまう危険性も孕んでいるので、仕事モードをオフに切り替えるうえでも、自然のなかの散歩は有用です。また、私は環境サスティナビリティに関する仕事をしているので、ビジョンやありたい姿を具体的にイメージできていることは大きいです。綺麗な地球を守りたいという思いで働いていますが、東京のコンクリートジャングルの中にいると、「私って何のために働いているんだっけ?」と目的を見失ってしまうこともあるんです。軽井沢にいれば、綺麗な水や森がすぐ隣にあり、ふと窓の外を見るといつでも自分が守りたい自然が広がっています。目の前の自然を守っているんだという実感を伴いながら働くことができています。

──移住されて、ご主人やお子さんたちに変化はありましたか。

佐々木 夫は大好きなDIYの時間を楽しんでいて、お庭にいる時間が増えました。軽井沢にはDIYショップがたくさんあるので、週末に通っています。夫が外でノコギリをひいたり、何か作ったりしていると、長男もおもしろそうにそれを見ていて、ときどき夫を手伝っているようです。夫は息子のできる範囲で「やってごらん」と作業を任せていて、それが息子の自信に繋がっています。

(写真:佐々木理恵さんご家族)

──お子さんにとっては最高の変化ですね。価値観を醸成するのにも、環境は重要だと感じます。

佐々木 息子はいろんなことに興味をもっているようで、描く絵も変わりました。以前は飛行機や車の絵ばかり描いていましたが、先日は工作の時間に斧を作ってきたんです。きっと隣の家のお父さんが週末に薪割りするのを見ていたんだと思います。さらに、東京にいた時は虫や動物を怖がっていましたが、今では平気で触るようになりました。お友達と一緒に田んぼへ行き、虫やカエルを捕まえて遊ぶこともあります。近所のお父さんたちが虫や動物に詳しいので、いろいろ教えてくれるのも楽しいようです。今、彼の中で大きな変化が起きているんだろうなと、息子を見ていて思います。

──軽井沢はどの面でも完璧なように感じるのですが、あえていうならどこに課題を感じていますか。

佐々木 私が子供を預けている軽井沢町内の保育園は、1番遅くて夜の7時まで子供を預かってくれます。でも、6時半や7時まで子供を預けているのは私だけなんです。そこで何を思ったかというと、軽井沢には若い女性がプロフェッショナルに働ける仕事が限られているのではないかと。軽井沢はリゾートワーク地としても注目を集めているので、専門性の高い職種の方やキラキラした方が東京からやってきますけど、一方通行のような気がしています。軽井沢に住む子育て中の女性たちが、高いスキルをもつ東京の人たちや彼らのプロジェクトに関われたらいいですよね。「学童をちゃんとつくってほしい」というような短絡的な要望もあるのですが、その課題の背景を考えたときに、そもそも学童のニーズがないんだろうなと思い、眠っているリソースを開拓することが課題だと感じました。キラキラと働いている30代、40代、50代の女性をもっと見たいですね。

──最後にこれからリゾートワークをしたいと思っている方に向けてメッセージをお願いします。

佐々木 軽井沢に住む人たちは、新しい医療や新しい学校をはじめとした新しい取り組み、そしてそれらを中心とした新しいコミュニティ作りに、ワクワク感をもって関わっています。お子さんと一緒にのびのびと生活できる町でありながら、同時に、新しいことが次々と始まるエキサイティングな町でもあるんです。お子さんがいる方、ビジネスをされている方、何か新しいことにチャレンジしたい方にとっては非常に良い環境だと思います。

<プロフィール>
佐々木理恵(ささきりえ)東京都内の外資系企業に勤務する2児の母。2年間の2拠点生活を経て2020年4月に東京から軽井沢へ移住、リモートワークを効果的に取り入れながら自然豊かな環境で新生活をスタートする。
趣味は温泉、音楽鑑賞、テニス、息子との散歩。

(写真:佐々木理恵さん、お子さんたちと)

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